ジョーダン・ショック 2015 1 17

今日は、金融情報サイトであるFISCOの1月16日の記事を引用しましょう。

 ジョーダン・スイス中央銀行総裁は、
ユーロ買い・スイスフラン売り介入により、
史上最大規模に膨らんだ外貨準備高(2014年末4951億スイスフラン)の損失を、
最小限に食い止めるため、防衛ライン1.20フランの撤廃を表明した。
 ヘッジファンドなどの投機筋は、1.20フランでの無制限介入を信じて、
スイスフラン・キャリートレードを行っていたが、損切りを余儀なくされた。
 「ジョーダン・ショック」の衝撃度は、
例えば、日本銀行総裁が120円以下のドル・円相場は回避するとして、
無制限にドル買い・円売り介入を行うと表明していたにもかかわらず、
突然撤回したことで、
ドル・円が85円まで急落したという構図となる。
(引用、以上)
 ニュースでは、外国為替市場で、
だいぶ「ケガ人」が出ていると報じています。
 私は、「無制限介入」は、
いつまでも続けられるものではないと思っていました。
 それにしても、外国為替市場は、
いつも平和で波乱がないように祈るしかありません。
 スイスには、「射撃祭銀貨」というコインがあります。
個性的で独創的なデザインですが、美しいのです。
月並みな言葉で言えば、「芸術的に優れている」ということです。
世界のコインで傑作とは、スイスの「射撃祭銀貨」だと思います。
何はともあれ、外国為替市場は、平和で波乱がないように祈ります。

射撃祭 2014 6 1
 スイスには、「射撃祭銀貨」というコインがあります。
このコインは、1800年代の半ばから発行されており、
途中、中断もありましたが、
今も「現代射撃祭」というコインが続いています。
 こうしたコインの裏側には、銃が描かれています。
さすがに、銃所有が文化のような国であるアメリカですら、
銃が描かれたコインは少ないと思います。
 スイスで、このような記念コインがあるということは、
実際に、「射撃祭」という行事が行われていることを意味します。
 この祭りは、地域によって違うかもしれませんが、
少年射撃祭というものがあり、
将来の軍人を養成するという目的で始まったものと聞いたことがあります。
現代では、少女も参加できるようになったといいます。
 スイスでは、国民皆兵制なので、
こうした射撃祭からも、「お国柄」を推定できます。
要するに、スイス国民の男性は、全員兵士であるということです。
 なぜ、このような話を持ち出したかというと、
日本の不勉強な学者や評論家が、時々、
「日本も、スイスのような永世中立国がよい」と言うからです。
 永世中立国を維持するということは、
いかに厳しいことかを理解してもらうために書いたのです。
 基本的には、NATOのような集団安全保障体制か、
日米安全保障条約のような体制の方が楽なのです。
 スイスのように一国で永世中立を維持するには、
それこそ、国民皆兵制で、
さらに国土を軍事的な要塞のようにする必要があります。
 要するに、相手国に、
「この国に攻め込んだら損だ」と思わせるような軍事力が必要になるのです。
 スイスの永世中立は、
日本人が考えるような「空想的中立」とは違うのです。
 スイスは、第二次世界大戦中は、
連合国に対しても枢軸国に対しても「中立」を保ちました。
 つまり、スイス軍は、
1907年のハーグ条約で定められた国際法上の「中立義務」を果たすために、
スイスの領空を侵犯する航空機があれば、
連合国側・枢軸国側を問わず、迎撃したのです。
 今の日本に、ここまでの覚悟があるのか。
いや、ないと思います。
だから、軽々しく「スイスのような永世中立国がよい」と言ってはならないのです。
 さて、実は、欧州には、
軍事的に、スイスと似たような国家がありました。
それが、フランスです。
 フランスは、冷戦時代、外交において、
アメリカからもソ連からも一定の距離を保ち、独自の外交を行いました。
 それを見て、日本人は、「うらやましい」と思うでしょうが、
フランスは、核武装した上に、原発大国です。
 核兵器によって、軍事的に国家の独立を維持し、
原子力発電によって、エネルギーの独立を確保したのです。
ここでも、日本人が考える「空想的な平和」と大きく違うことがわかるでしょう。
 日本が、スイスの道を歩むにしても、
フランスの道を歩むにしても、いずれにせよ「険しい道」となるでしょう。
 当面は、日米安全保障条約でよいでしょうが、
やがて、アメリカが衰えてきた時に、どうするか。




















































































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